アメリカ外交 2018 12 24

 オバマ大統領は、2013年9月10日のテレビ演説で、
「米国は、世界の警察官ではないとの考えに同意する」と述べました。
こうした外交政策は、一概には間違いとは言えないでしょう。
 しかしながら、このような政策を取る以上は、
アメリカにとって脅威にならないように、
世界のどこにも覇権が生じないように、
世界を多極化させる必要があります。
 最悪の外交は、ロシアと中国を一体化させることであると、
私は、何度も警告してきました。
もし、ロシアと中国が一体化したら、強力な覇権国家になり得るからです。
 にもかかわらず、オバマ大統領は、
ロシアにはライオンのように吠え、
中国には「借りてきた猫」のように、おとなしかったのです。
これでは、ロシアを中国側に追いやってしまいます。
 もちろん、これは、日本から見る「風景」であり、
欧州から見れば、別の風景が見えます。
 ロシアと接する欧州にとっては、ロシアは、大きな脅威です。
一方、中国とは離れていますので、
欧州にとっては、中国は脅威にならないのです。
 むしろ、欧州は、中国に接近して、
中国がロシアを背後から牽制してほしいと思っているでしょう。
 さらに、欧州は、「補完外交」として、
アメリカの政界に対しては、ロシアの脅威を説き、
中国市場の魅力を説きたくなるでしょう。
 それでも、最近は、風向きが変わりました。
中国が「AIIB構想」を発表して、
アメリカの同盟国までも「AIIB」に加盟する事態となって、
オバマ政権は、目が覚めたのです。
はっきりと中国の脅威を感じ取ったのです。
 このような流れで、アメリカは動いていますので、
トランプ大統領が、急に「強硬外交」を始めたわけではありません。
 何度も書きますが、
最悪の外交は、ロシアと中国を一体化させることです。
 それから、もうひとつ書きますと、
アメリカ外交の迷走の原因のひとつは、
オバマ大統領が「世界の警察官」をやめて、
「世界の法律家」になってしまったことです。
 しかし、世界には、国際法や国際条約を守らない国が多いので、
アメリカ大統領が「世界の法律家」では、
アメリカ外交は、力を発揮しません。


























































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